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煮詰めたシチュー
第11章 「星と僕たちのあいだに」 あとがき
物事には良い悪いだけでは分けられないことがあり、置かれた立場や出自、育ち方によってものの見方は変わります。
チーターが小鹿を襲う場面を、チーター側から見るか小鹿側から見るかによって与えられる印象は違います。
小鹿は捕食者によって未来を奪われます。食べられてかわいそうです。
チーターは何日も餌にありつけず餓死寸前です。そして棲家に帰ればかわいい子供がおなかを空かして待っています。
こうしたことに善悪の分明をつけることはできません。
当事者でない自分にできることは、双方の立場を鑑みて理解することだけです。