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煮詰めたシチュー
第2章 雑記 ジブンのカタチ
でも、あの日現れた雲海を前にして私はあまりにちっぽけな自分を感じた。
あの絶景は私を『小さな臆病者』と感じさせてくれました。
『小さな臆病者』だという自分を感じることが出来る。
それが証左となって、私は自分の存在を確かめる必要がなくなりました。
不安になればその時はまた、あの雲海を思い出せばいいのですから。
高台からの長い坂道、妻を乗せてユルユルとスクーターを走らせる。
こんなテンポの遅い幸せを感じれるようになるとは、あの頃は夢にも思いませんでした。
スローテンポで刻まれる妻との幸福。
妻はそうやって私の存在を確信させてくれます。
これは安心できます。
-ジブンのカタチ-
2015-02-12