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煮詰めたシチュー
第4章 ホラーな男
   
幸いフロントガラスは割れず、私はコブができた程度でしたが、山ちゃんはハンドルに口をぶつけて歯茎から血が出ていました。

『大丈夫っス、てて・・・
 あ、山ちゃん、血出てますよ』

『うわ、ほんに、よう出とる・・』

『あと・・・目も、出てます』

『あ、ほんまや』

追突の衝撃で山ちゃんの義眼は外れ、ダッシュボードの上でコロンコロンと揺れていました。
山ちゃんはしょっちゅう義眼を出し入れして遊ぶので、ちょっとした衝撃ですぐに外れてしまうんです。


   
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