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煮詰めたシチュー
第4章 ホラーな男
『ちょっとアンタ、降りてこいよ』
私はガラスをコンと叩いて、車から降りるように言いました。
降りてきた運転手は少し興奮した様子で、眉を段違いにして私を睨みつけ、ウリウリと下アゴを動かして車越しに私を威嚇しています。
どうやら彼は不毛な自己顕示を無知性に乱用する、一般にはヤンキーと称される特殊な種族の青年でした。
これがなかなか大したもので、この状況で精一杯私に食って掛かります。
『んなとこ停まってんじゃんねぇぞ、こらぁ!』
『はぁ?お前バカじゃねぇの?』
『ボケッと停まってッからだろうが!
どうしてくれんだ?クルマ、あぁん』
自分からぶつかってきて何を言ってるんでしょうか。
ぶつかった拍子で頭がおかしくなったのかと思いました。