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煮詰めたシチュー
第4章 ホラーな男
頭にきた私はヤンキーを張り倒すつもりで、ひしゃげたボンネットに飛び乗りました。
『普通オマエが謝るんだろ』
『なんだ、てめぇ、やんのか!』
血迷うヤンキーはエライ勢いで挑発してきます。
私も血の気の多い頃でしたし、相手の落ち度はハッキリしていますから、やらない理由はありません。
そこへ慌てて車から降りてきた山ちゃんが私達を止めに入りました。
『やめんかいな、ほれ。
大ちゃんもそこ降りぃ』
見ると、義眼の収まりが中途半端で山ちゃんは少しギョロ目になってます。
顔の右側は笑顔で左側は真顔という文字通りの半笑いで、そのちょっと間の抜けた顔と雰囲気に笑いをもよおしましたが、状況が状況だけに笑うわけにいきません。