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煮詰めたシチュー
第4章 ホラーな男
温厚な山ちゃんは、怖い顔で凄むヤンキーを気遣います。
『大丈夫か?
ニィチャン怪我してへんか?』
『オッサン信号青だったろうが!』
『いやいやニィチャン、信号赤やで、
それをアンタ、エライいきお、あ・・』
突然山ちゃんの義眼が音もなくポロッと外れ落ちました。
----(わ、やっぱり)
『おっ・・・と、セーフ』
胸元で義眼をキャッチした山ちゃん。
ニタッと微笑みました。
同時にヤンキーの悲鳴が高架下に響き渡りました。
『ひぃえぇぇぇ!!!』
それまでの達者な威嚇もどこへやら、ヤンキーの顔はこれ以上ブサイクになれないというぐらいに引きつり、そのとんでもなく情けない顔につられて私も同じ顔になって笑いをこらえました。