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あの店に彼がいるそうです
第11章 いくら積んでもあげない
一度スイッチを切り、赤く腫れ上がった乳首の膨らみに少し浮いたパッチはそのままに
太股のものをまさぐって外す。
ズボンは汗にじっとりと湿っていた。
目を瞑って涎を流す瑞希を一瞥して、今度は下着越しではあるが陰部に取り付ける。
感触に目を見開いた彼が出ない声を振り絞って懇願する。
「っめん、なさい。ごめんなさいっ……っは、あっく、やめて、くださいっ」
そんな言葉も笑いでかき消し、つけたパッチを指でつつきながら尋ねる。
「ココとココ、同時に流したらどうなると思う?」
今までの痛みなど比ではないだろう。
かつてこれを受けた巧の悶絶を思い出して鵜亥はぞくぞくとした。
瑞希は数秒固まり、気が狂ったように暴れ叫んだ。
「やだぁああああっ、やめろおっ、離せっ、だれかあっ」
怒気から段々涙に滲む声が鼓膜を甘く揺らす。
「お前が大人しくしてさえしてればこんなことにはならなかったのにな」
先ほどのたった一回の抵抗が今の状況を生み出したと思い出し、瑞希は動きを止めた。
俺、なんであんなことしたんだ……
そうだ。
床に押し倒されて、ヤられるって思って……
怖くて仕方なくて。
それで、キスをしてきた鵜亥の唇を噛んだんだ。
でも力が入らなくて。
すぐに怖さが蘇ってきて。
思い切り殴られてから、ここに連れてこられたんだ。
死ぬほど辛いこの場所に。
もう何分経ったかもわからない。
虚ろな目で見上げた鵜亥が顎に手を掛ける。
「今度は噛むなよ」
そう囁いて唇を重ねた。
グチュ。
緩く開けて舌を向かい入れる。
もうほとんど動かせない舌を絡めとられ、コクコクと唾液を飲みながらただ蹂躙される。
咥内全部が性感帯のようにゾクゾク快感に溺れてしまう。
乱暴なのに、その上手さに脳が溶けそうだ。
息をする間も与えてくれないせいで、ぼーっとしてくる。
乳首はもう痛すぎて感覚がない。
何回も出した下着が気持ち悪い。
このあとのことなんか考えたくも無かった。
ここに来たばかりに脳内を駆け巡っていた思考も消えうせた。
今はここに来てしまった自分を恨むしかできなかった。
下唇を軽く噛んで離れた鵜亥が、俺を見つめたままスイッチを倒した。
槍で貫かれたような痛みと達した感覚だけを残して、視界が真っ白に染まり沈んでいった。