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散る華如く
第3章 郭を訪れて・・・
「ただいま、お母様・・・!!」

「あなた・・・今まで郭に居たの?」

「・・・!!ええ、お母様。」

そう素直に認めた途端―

パンッ―

母にぶたれた。

「なんてっ・・・莫迦なことを・・・」

「彼等はお母様が思っているほど、悪いひとじゃない・・・!!」

「しをな、あなた・・・」

「ときわさんから聞いたんだから。お母様は毛嫌いしてるけど、わたしは違う・・・!!」

「郭に通うのはやめて!!」

「いや・・・!!」

これを聞いた途端、瑠恵の中でぶつん、と音がした。

「頭を冷やしなさい、しをな!!」

そう言うと―しをなの腕を掴み、強引に引っ張っていく。

「いたっ・・・!!」

瑠恵はハッして、掴んでいた娘の腕を離す。

「しをな、私はただ・・・あなたを護りたいだけなのよ?」

「分かってるよ、お母様。」

「でも、わたしには・・・彼等を嫌うお母様の気持ちが分からない。彼等は確かに傾城だけど、悪いひとばかりじゃないもの。」

「そう、ね・・・でも私は、ただ毛嫌いしてるんじゃないわ。」

裏がありそうな母の言い方に、しをなは首を傾げた。

「・・・?それ、どういう意味?」

「時が来れば・・・あなたにも分かるわ。」

瑠恵はそう言い、寂しげに微笑むだけだった。

「店の手伝いを怠らないと言うなら・・・いいわ。」

「本当・・・!?お母様・・・!!」

「何かあったら、すぐに私に言いなさい。」

「うん・・・!!ありがとう、お母様・・・!!」

彼女はそう言って、店の方へと駆けて行った。
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