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叶わないならせめて、手に入らないならいっそ
第3章 妄想が現実を塗り潰していくまで
――しゅーちゃん、好きだよ。
幻想の中の若葉は、にっこり微笑んで俺を受け入れてくれる。
わかっている、これは俺のきったない妄想。
現実の若葉はこんな反応はしない。
それでも、俺は幻にすがる。
好きだ、若葉。
なんでおまえも俺も男に生まれたんだ。
――何言ってるの、しゅーちゃん。
――俺、今女なんだから、そんなの関係ないよ?
狂ってる。
頭のどこかではわかっているのに、俺は気付かないふりをする。