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藤の舞
第20章 結末
「沢山のお客様がお祝いに見えますからね。
防音室でお待ちなさい。」

先生の顔が、医者のものでなくなる。

「無事、妊娠していたのだから、これからは気兼ねなく楽しめるでしょう。
お互いに…」

「え…もう終わりではないんですか?」

「誰が終わりと言いましたか?
妊娠して、妊婦でしか楽しめないことも沢山あるんですよ。
別に無理強いするつもりはありませんがね。
奥さんの方が足りないんじゃないですか?

今までは淫乱女だったのが、今日からは淫乱妊婦に変わるだけですよ。

貴女が良ければ防音室でお待ちなさい。」


終わりだと思っていた。
自分から終わりに出来ないから、先生から終わりを告げられるのを待っていた。


でも違う…

私は母となる喜びを感じていたが、
体は女の悦びを求めていた。

私が防音室の扉を開けると、既に見慣れたお客様が数人待っていた。



「おめでとう。」

最初に来たお客様がいる。
そして、あのストーカー紛いの若いお客様も…

「ずいぶんな淫乱女になったね。
せっかくだから、中だしさせてもらいに来たよ。
男は沢山いた方がいいんだろ?」

冷たい目、無表情な顔で私を見た。
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