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「ボクの光りは密会した人妻さん」
第2章 ブラック企業~求める人妻~
今日も終わらない…

ボクは毎日の残業に辟易していた

やってもやっても終わらない

自分で仕事をやれない上司たち

パソコンで文字すら打てず、一日中事務所ですることもなく、話す話題もなく、手持ち無沙汰にパソコンに初期設定されてる単純なゲームに興じてる毎日…

書類を作るのもボク

各部署に連絡するのもボク

問い合わせに対応するのは当然ボク

現場でしか対応できない作業に出張にいくのも当たり前ながらボク…

昔はバリバリ仕事をこなしてきた団塊の世代の猛者たちは「パソコン」という武器が使いこなせず、すっかり牙を失ってしまった

かわいそうなのは若いスタッフや現場のスタッフだ

ツールは使えても現場は指示を待つばかりで自主的な動き方がわからない…

溜め息をつきながら目を閉じていると部屋にノックが響く

入ってきたのは事務所の下の階にある店舗のスタッフ、満代さん

30代の主婦パートさんだ

子供が中学生になったので去年から夜スタッフとして店舗で働いていた

面接をしたのもボクなのでよく知ってる

「…大丈夫ですか真鍋さん、あまり根つめると倒れちゃいますよ…」

「…うん、わかってる…ありがとう
でも、ボクしか出来ないから早く仕上げないとね…」

「…」

「…」

満代さんがボクに好意を抱いてるのは前から気づいてた

でも満代さんには家庭があるし、ボクには交際中の彼女がいてる

満代さんはコーヒーをいれてくれて帰っていった

帰る間際に

「それと…!
来週のシフトまだ組めてないんだゴメン!明日ボクはお休みもらうけど夜にメールするから」

と声だけかけた

たまにメールはするけどあくまで連絡事項

返信も“はい、わかりました”ぐらいでそっけない

好意があるなら世間話でも挟めばいいのにな…

ボクは日付が変わった頃にようやくコーヒーに口をつけた…
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