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英里を調教 <大学生編>
第6章 お礼におもてなし 甘い甘い英里ちゃんいかが?
 五月の連休も終って、六月。梅雨空のじめじめした日が続いてる。

 こういう時には、多少無理してでも何かしないと、じめじめで気分まで湿っちゃいそう。

 そういえば、昔、吉原で花魁遊びをする時に「おしげりなんし」と言われたそう。
 「おしげり」とは吉原独自の言い方で『しげる』は『陰雨る』と書くのだとか。
 たっぷり時間をかけて、布団も体もしっとりと濡れるような、そんな男女の交わりを「おしげり」と言うんだって。

 梅雨でじめじめ。じっとりするのは、えっちの時だけで十分よね。

 
 そんなある日、料理が苦手な子達向けのお料理教室を開催した。
 ある程度の食材は、寮の冷蔵庫に入れてもらえたのだけど、さすがに寮の食堂の冷蔵庫を占領してしまうわけにもいかず、午後四時の開始時間に合わせて買い出しに行くことになった。
 すでに近所のスーパーにお願いして、食材は用意してもらっている。
 免許を持っていた友恵ちゃんが、実家から乗ってきた、というお父さんのお下がりの軽のワゴンに私も一緒に乗り込み、真紀達に会場の準備を任せて、いざ出発。
 意外と運転上手な友恵ちゃん。私がスーパーの位置をナビして、無事に到着。
 時々大量の買い物をする私達にお店の人は優しくて、食材の積み込みを手伝ってくれたので、買い出しは思ったよりも早く終った。

 その帰り道。女子寮が目前と言うところで、車が止まった。
 何をどうやっても動かず、かといって私達に修理なんか出来るはずもない。
 とりあえず真紀に連絡したものの、このじめじめ陽気。食材が心配。
 すでに会場となる女子寮の食堂には参加者が集まり始めているらしく、その案内なんかでみんな手が離せないみたい。
 真紀だけは駆けつけてくれたものの、女の子三人で大量の食材を運ぶのはかなりきつい。
 古い車でごめんなさい、と泣き出す友恵ちゃん。

「ううん、私達がお願いして車出してもらったんだから」
「しょうがない、手で運びますか。急げば始まるまでに間に合うでしょ」
「そうだね。このままじゃ食材が悪くなっちゃうしね」

 私達が覚悟を決めた時、「どうかしましたか?」と声をかけてくれた人がいた。
 
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