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夢見る君に囁きを・・・
第2章 Valentineまで、あと10日
ー13年後ー

「夢…か。昔の…」

俺は、ベッドから出た。

壁に貼られる俺と芙佳のたくさんの写真。そして、カレンダーの赤丸。

2月14日の赤丸。この日、俺は、18歳になる。くしくも、この日は、バレンタイン。

毎年、俺は、芙佳から「義理だから」と手作りのチョコを貰ってる。
今年は、貰えないかも知れない。今年になってから、芙佳の態度がおかしくなった。
変に、よそよそしいというか…。

「淕~。早く起きないと、遅刻するわよ~。」

下で母さんが、呼んでる。

俺は、着替えて下に降りた。

「おはよう。母さん。父さんは?」
「もう、会社に行ったわよ。もうすぐ、誕生日だけど、何が欲しい?」
「特にないなぁ。」
「淕。あなた、ほんとに物欲ないのねぇ。」
「そうかなぁ?」

俺はご飯を食べる事に集中した。

「ごちそうさま。」

俺は、支度をして、学校に向かう。

「おはよう。りっくん。」
「うん。芙佳。おはよう。」

俺と芙佳は、手を繋いで歩く。昔からだから、抵抗はない。

「ねぇ、りっくん。」
「うん?」
「今年の、お誕生日とバレンタイン。一緒に渡しちゃダメかな?」
「いいけど。くれるの?」
「あげるってぇ。毎年、あげてたし。」
「そうだけど。最近、なんか芙佳が、俺を避けてる気がして。」
「それは…ない…かなぁ。でね…」
「ん?」
「この日、パパとママいないから。うちで、お祝い…しない?」
「いいけど。まぁ、学校休みだから。」
「じゃ、後で。」

(芙)¨緊張したなぁ。ちょっと、言うだけなのに…。当日、言えるかな?¨

俺は、教室に入っていった。

「おはよう。」
「おうっ、淕人。よっ!」
「滝沢は?」
「舞香のクラスだろ?」
「もうすぐ、バレンタインだから。」
「うん。」
「お前、何、憂鬱な顔、してんだよ。お前だって、芙佳から貰うんだろ?」
「うん。義理だけどな。」
「つか、お前鈍くね?」
「はっ?」
「普通さ、バレンタインに手作りのチョコ渡して、義理ってねぇだろが!」
「そうなの?だって、毎年そうだよ?」
「だいたい、義理って、市販のやらね?」
「あっ、友チョコも手作りか。」
「友達?」
「お前、好きならさ、ちゃんと言えば?」
「バレンタインでも、男が女に告白してもいいんだし。」
「うん。」

俺は、どんどん不安になってきた。
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