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主人公らしくない主人公に恋をして。
第1章 「常識なんて、クソくらえぇぇ!!!」
「………え…え、ちょーだいって言われても…私、どーすればいいか」「じゃあ、くれるの?」
近い。
雪の顔が近寄る。
近い近い近い近いーー。
「ねぇ、答えて。桜」
「ちょ、近いってもう少し離れて、雪。」
顔を横に背ける。
顔が熱くてしかたがない。
それなのに、
「ねぇ、桜。」
雪はふうっと私の無防備に晒されている耳に息をかける。
それも何度も何度も
「ぅ、ひゃぁ…っもう、わかった。分かったから離れて!」
観念して私がそう声をあげると、雪はさらに首元を舐める。
「ぅわっ…やめっ、ちょ、くすぐったい…雪!」
「桜の処女……俺にくれるの?」
「ひゃ、っ…あげる!あげるからぁ!」
涙目で体をよじりながら雪の行為から逃れようと必死な私は、
「ふーーん。…じゃあ、これは、もう相手の了承も得てるからね。」
雪のそんな呟きを聞き逃していた。