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奴隷からのはじまり。
第3章 さん、妹もいるの。
「そういやレンちゃん、図書委員なんだよね」
 愛乃は、レンとも仲良しなのだろうか。にや、と笑って、玖路香の手を引いて物陰から出て行く。
 本をカウンターに積み上げて、仕事を始めようとしていたレンが、顔を上げた。プラスチックフレームの眼鏡をはずすと、比較的大きい一重の瞳が現れる。オレンジに近い色の髪も、淡いピンク色の口唇も、ひょうひょうとした彼女の雰囲気に合っていた。
「なにしてんの、こんなとこで」
 本なんか読みそうもないのに、とレンが口角を上げて言う。
「えっちなことしようかなって思ってたら、レンちゃんが来たんだよ」
 愛乃は無邪気に答えた。玖路香は恥ずかしくて、赤い顔をすっとそむける。
「へぇ。前してた話、冗談かと思ったらホントなんだ」
 レンは愛乃からいろいろ聞いているらしく、にやにやしていた。愛乃や玖路香ほど美少女ではないが、人懐こい印象の顔をしている。こっそり煙草を吸っているが、偶然目にしても誰もチクらないのはやはり、愛されているからだろう。
「くうちゃん、可愛いけどときどき、言うこときかないの。わたしといっしょにお風呂入るとき、わたしのおっぱい見ておまんこ濡らしたりするし」
 ふう、と困ったようにため息をつく愛乃に、玖路香は、隠していたことがバレていたのを思い知らされた。ときどき、誘われてともに入浴するのだが、白い浴室でみる愛乃の裸はあまりに扇情的すぎるのだ。小さいけれど可愛らしい形の胸、きゅっと締まって尻へとなだらかに向かう身体のライン。
 思い出しただけで赤らむ頬を、レンが見咎めた。
「見たところ、ちっとも反省してないみたいだよ」
「やっぱり? レンちゃん、ヤキ入れてあげてくれる? わたしが許すから」
「オッケー」
 玖路香に、拒む権利はない。
 
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