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第2章 リッツシュタイン家の城下町

「ラルフがあんたに合うような良い感じの男の子見つけたみたいだよ。名前はヨハンっていうの。そいつは同い年で、警備兵の中でも断トツ優秀でハンサムだって。私も一度見たことあるんだけど、あんたも絶対気に入ると思う。
でもさあ、こんなこと話しておいて悪いんだけど、今はやめておかない？なんだか最近物騒だとか言うし。」

リーナは何が物騒なのか知らなかった。先月城下町に行ったときも特に何も変わりがないように見えた。

「何があったの、マリア。私は何も聞いてないわよ。もしかして、シュルツ家の庭で起こった火事の話？」
と、リーナは笑った。

「まあ、火事は火事なんだけど。」
というマリアの顔は浮かなかった。

「火事はくらい時々起こるわよ。そんなことを心配していたら何にもできないわよ。運が悪いときは諦めるしかないって、司祭様も言っていたでしょ？
今回だけ付き合ってよ、マリア。」

「うーん。今回だけよ。その代わり、私の外国語の宿題手伝ってよ。」
と、マリアは呆れたように承諾した。