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変態王子の献身
第2章 リッツシュタイン家の城下町
リーナは時々国の情勢や起こった事件を耳にはするものの、女性が政治に干渉することが躊躇われるこの国の伝統の内にあって、リーナにできることがあるなどとは考えられなかったため、特に彼女は政治を知ろうとしなかった。それに、リーナに全ての情報が与えられているわけでもなかった。
マリアの言っていた火事についても誰も詳しく教えてくれなかった。

次の日、外国語教師のシュルツ先生の授業中に、
「先生、来週の水曜日の時間、また城外に出してもらえませんか?」
と、リーナは尋ねた。
シュルツは、
「今は情勢が良くない。ツォーハイム家との間に何があったかは知らないのかな?もし君を城外に出して何か起こった日には、私は処刑されてしまうよ。王族に危害を加えることに関与した者に対する罰については、法律の授業で聞いているだろう。」

「嫌です。」
と、リーナは強く言った。リーナが普段は大人しくて勤勉な生徒であるため、シュルツは驚いた。

「私は来週どうしても城外に出たいのです。お願いします。」

リーナは頭を下げた。
城外に出られなくなったら、このまま恋愛を知らないままに政略結婚させられてしまう。そんなのは嫌だった。リーナもすでに16歳であるし、情勢が悪化したというなら王家の戦力を強めるために、リーナがいつ戦略結婚させられておかしくなかった。
一度でもいいから、普通の街娘として年頃の男の子とデートしてみたかったのである。
食い下がらないリーナの様子を見たシュルツは、
「仕方ありませんね。じゃあ、こうしましょう。次回だけですよ。でも、私は何かが起こった時の責任を取りたくありません。次回の授業の日は、私は仮病で休講にします。これは僕たちだけの秘密ですよ。だから、あなたは好きにしてください。どうせまたマリアとでかけるのでしょう。何かあったら責任を取るのはマリアだけで十分です。」

と、シュルツは呆れたように言った。

「シュルツ先生、ありがとう!」
シュルツは笑みを浮かべるリーナを呆れたように見た。



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