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変態王子の献身
第3章 リッツシュタインへの手紙
「お願い!リッツシュタインに手紙を書かせて!友達を助けたいの。お願い!」

リーナは懇願するようにフレッド王子の目を見つめた。
5年前最後に会った時に比べて、王子の目は冷たく見える。しかし、王子の目は恐ろしいほど美しかった。

「そんなに見つめられると、僕も心を動かされもする。こんなに美しい姫の頼みだ。聞いてやらないこともない。しかし、君は今、ただの囚人なんだよ。囚人が一国の王子にそんな簡単に頼みを聞いてもらえと思っているのか?」

リーナはぎくりとした。また何かされるのだろうか。昨日のようなことをまたするつもりなのだろうかと恐ろしくなった。しかし、一刻も早く王に頼まなければ、きっとマリアは処刑されてしまう。

「何でもするわ。だから、お願い。」

「でも、君の手紙でリッツシュタイン王がお友達を助けるとは限らない。それに、僕が約束を守ると君は思うのかい?」

リーナは悔し涙を浮かべた。その通りだ。自分の手紙が届くかも、父王が自分の言うことを聞くかも分からない。

「でも、試してみたいの。このままではマリアは・・・・。」

柵から手を伸ばして王子はリーナの頭をさすった。

「君は優しい子なんだね、リーナ。いいだろう。手紙でも何でも書くといい。それをすぐにリッツシュタイン城に届けると約束するよ。しかし、僕にあったことなどや、ツォーハイムにいることは書いてはならない。もちろん、書いた後に僕が一度読んでからそれを出すことになるけどね。」

リーナは喜び、
「それでいいわ。」
と言った。

王子はすぐに紙とペンを持ってきた。

リーナは、自分は今、別の場所にいるが元気でいること、そして一人で城を出て、マリアには何の関係もないこと。マリアはなんの責任を負わないことを簡潔に書いた。そこにサインをした。筆跡鑑定士がいるので、それによってこれがリーナの直筆であることがわかるだろう。フレッド王子もそれを読むと、特に問題がないとの判断をして、すぐに手紙に封をして外へ出た。

後はただ祈るだけだった。
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