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変態王子の献身
第4章 ツォーハイムの王子
王子の父王も多くの女性と浮名を流す人物であった。正式な王妃との子はフレッド一人であったが、腹違いの兄弟は10人ほどいるという話であった。王子を第一後継者として、その中の4人が正式な王位継承者であった。

フレッドは王位になど興味がなかった。できることなら王位を別のものに譲ってしまいたいとまで思っていた。いっそどこかに旅に出て自由に世界を見ることができたらと思っていた。

王族が城の外に出て公式にやることと言ったら狩くらいだが、父王に付き合って時々するくらいで、王子はそんなことにも興味がなかった。
唯一の楽しみと言ったら、城の中の図書館から持ち出した本を、ワイングラスを片手に読むくらいであった。本から学ぶ深遠な哲学や世界に関する知識だけが王子を満足させ、心の憂さを晴らしてくれた。19歳になった王子にとって、本の中に出てくる智恵を学ぶことだけが、受け入れがたい自分の不自由さや孤独を晴らす助けとなった。

王子は自分の恵まれた何不自由ない環境こそ、自分の憂鬱の原因であることを知っていた。しかし、家畜は家畜の運命を受け入れなければならないことも彼は知っていた。


そんなただただ続く退屈な日々の中で、リーナが誘拐されて連れてこられたというのは、彼を動揺させることだった。大好きだったリーナがまた自分の手に入る範疇に来たのだから。しかし、捕虜となったリーナに対して自分がどのように接すればいいのか王子は分からなかった。天使のようなリーナが自分のことをうらむだろうことは間違いなかったが、自分が望めば彼女の体を好きにできるだろう。
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