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変態王子の献身
第6章 リーナと看守
「クリスの弟が生きながら燃やされたというのは本当なの?」
リーナは看守に尋ねた。

「そのようなことがあったとは聞いておりますが、私は事実関係については全く承知しておりません。」

リーナは、ただ「そう」と答えた。そして少し考え込むと、

「人はひどいことをするものね。私は城で守られて城下のことも、城内の政治のことも何も知らなかった。無知は罪ね。私がここで辱めを受けるのもそれに対する罰なのね。そうだとしたら、私はその運命を受け入れるしかないのね。」

看守は驚いたように、

「それでも、婦女子に対してこのような暴力を振るうことに私は反対であります。」

まじめな看守は固い顔でそう答えた。その様子が滑稽で、リーナはまた笑ってしまった。

「そうね。あんな目に会うくらいならいっそ殺してくれたほうが楽だったかも・・・。」

「そんなことはありません。お命を大切になさってください。あなたはリッツシュタインの唯一の跡取りなのでありますから。それに・・・・。」

そう言うと看守は口ごもった。リーナが看守の目を見つめて促すと、看守は恥ずかしそうに目を逸らしたが、続けた。

「あ、あれは、その・・・・、王子の愛情表現なのだと思います。私は王子のことをたまたま幼少時より存じておりますが、王子にはちょっと変わった性癖がありまして・・・。」

リーナがまた笑った。

「そんなこと、私に話していいの?」

そう聞くと、看守は「しまった」とでも言うように慌てた。その様子が滑稽で、またリーナは笑った。

「ただ、フレッド様は貴女様にお会いできなくなってからというもの、あのような性癖が始まったのだと噂では聞いております。王から貴女の処女を守るように言われているというのは実は嘘で、フレッド様から直々に言われていることなのです。また、私も普段は牢の看守ではなく、城内で王子を守る近衛兵ですから。牢の看守というのはもっと身分の低い卑しいもので、女性囚人が襲われることなどもあるというので、王子の直々の近衛兵が今は牢の看守を任されているのです。王はそれに対して反対したのですが、フレッド王子が王に頼み込み、幼馴染であることや、人質として姫を守る利点などを言って説き伏せたのです。」
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