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変態王子の献身
第9章 自白
フレッドは片手で優しくリーナの頬に触れると、
「リーナ、アレックス殺害の犯人に心当たりはあるかい?君が城外へ出るという日程を知っているのは誰だい?答えてくれ。」
と、真剣なまなざしで尋ねた。

リーナはギクッとした。彼女はアレックス殺害やそれにまつわることについてあまりに無知だったし、両国の動きについて何も知らされていない。それでも、この情報がツォーハイムにとって鍵となる情報であることはなんとなく察することができた。ツォーハイムの有利になる情報とは、つまり、彼女の王国リッツシュタインの不利になるということだ。

相手がフレッドであっても、2日間狂ったように恋焦がれていた相手であっても、彼女はそこまで落ちぶれてはいなかった。

彼女はじっと考えを巡らせた。アレックスの殺害と、自分の外出が結びついている。どういうことだろうか。頭の中でシミュレーションをする。アレックスが殺害され、そして自分が誘拐される。父王は兵を起こしてツォーハイムに乗り込むだろう。ツォーハイムは傭兵団を派遣して応戦するだろう。この推測は間違っていないだろう。ツォーハイムは何を企んでいるのだろう。自分の国との対等な交渉のために、自分を誘拐したのではないか。しかし、彼らはどのように自分が城下にいることをしったのだろうか。

戦争が起きた場合に利益を得るのは一体誰だろうか。武器商人、両替商、錬金術師・・・。ツォーハイム内であれば褐曜石の需要も高まるだろう。

ツォーハイムとリッツシュタインの公式な貿易は無いものの、それでも商人たちは秘密裏に取引を行っているだろう。

リーナは、
「あっ!」
と声を上げた。シュルツ先生の顔が浮かんだ。外国語を上手に教えてくれる優しいシュルツ先生。自分を城下町に率先して送り出してくれた先生。マリアを除けば彼だけが正確にあの日のリーナの居所を知っていた。両替商で有名なシュルツ家は外国語を操り、様々な国々とやり取りをする。シュルツ先生個人は外国語教師として働いてはいるものの、両替商の家の結びつきは強い。シュルツ家が全てのことの発端であることをリーナは気づいてしまった。

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