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変態王子の献身
第9章 自白
しかし、シュルツ家はリッツシュタイン王家を裏切るようには思えない。彼らは彼らの利益を追求しているだけなのだろう。リーナには分からなかった。リッツシュタイン王家すらもこのことに共謀しているのだろうか。リーナにはそうとは思えない。自分は一人娘である。自分が死んだ場合に得をするのはシュルツ家ではなく、錬金術師ギルドである。
錬金術師ギルドから王家に近縁な者が王位継承者となるだろう。それが技術の国リッツシュタインの仕組みであった。

両替商シュルツ家は王家と共に戦争を起こして、ツォーハイムを占領し、褐曜石の独占権を手に入れ褐曜石を新たな国の強みとすることを目指しているのだろうか。彼女はそう推理した。自分が誘拐されたのは、戦争を誘発させるため・・・・。

戦争に負けるのはツォーハイムだろう。敗戦して占領されたツォーハイムはどうなってしまうのだろうか。フレッドは・・・。ツォーハイムの友好国であるセイレンブルクはツォーハイムと近縁である。そこへ亡命することになるのだろうか。

リーナにはこれら全ての自分の推測が正しいのかも分からなかった。

彼女はフレッドを見つめて、ただ黙るしかできなかった。

「何か心当たりがあるようだね。話してくれないか?」

フレッドは厳しい目でリーナを見つめた。

リーナはただ首を横に振るだけだった。リーナはフレッドが突然ここへやってきたことや、予想していなかった彼女の推理の結果に、上手に嘘を付く余裕がなかったのだ。

「どうやって僕が君から、君の知っていることを聞き出すかは、想像できると思うけど。」
フレッドは楽しそうにそう言った。

「やめて!何も言わないわ。私を殺すがいい。」

「それは面白い。」
フレッドは彼の欲望が燃え出すのを感じた。それと同時に彼には、なんとしても戦争を状況を打開する鍵を彼女から聞き出すという使命があった。
リーナの腕を荒々しく引っぱると、牢の壁につけられた手錠と足枷に彼女を乱暴に固定した。
リーナは抵抗しなかった。
フレッドは、彼女の白い皮膚を数発、鞭で打った。鞭の後が赤く腫れる。リーナは歯を食いしばりこらえているようだった。

フレッドにとっても、このように自白させるための拷問を行うのは初めてだった。このようなことは専門家に任せた方が良いのかとも思ったが、それは彼にとって勿体ないことだった。
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