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Withdrawal Symptoms
第1章 序章
今宵もまた繰り返される情事。
白銀のカーテンの隙間から覗く月光が、私の肢体を照らす。
「……んっ……はぁっ」
そして小さく漏れる声。
分からない。わからなかった。
「……っ」
何故私は今夜もこうして「彼」に抱かれているのか。
彼が身体を前後に動かす度、彼の片耳に付けられたシルバーのピアスが揺れる。
「もっ、……やめて……」
私は力無くそう懇願した。
だが彼は腰の動きを止めない。寧ろその動きは激しくなる一歩だった。
「……みかッ」
低く掠れた声で彼は言った。
その声に、薄らと瞼を開ける。
彼は額に汗を浮かべ、苦しげに私の名前を呟いていた。
きらきらと光る透明なその湿滴は、彼のシャープな顎を伝い、ポタリと私の胸元に落とされた。
(熱い。)
激しいこの行為と熱気に顔を歪める。
「あっ……」
腰を掴まれ奥を貫かれたことによる、思わず出た声。
それを聞いた彼は更に腰の動きを速めた。
(……いつから? いつからだろう、私達がこんな事をするようになったのは。)
火照る身体とは対照的に、頭は妙に冷静だった。だから私は、何時もそんな事を考える。
大好きだった。好きだった。
「みかっ……」
きっと私はこの男を誰よりも信頼していた。
「……んっ……ぁぁッ」
少なからず、好意は抱いていた……筈。
私は目をキツく閉じ、涙を流した。
彼が私の上で動く。彼は私を意味もなく求める。
まるで、それが当たり前であるかのように。
ーー両親が寝静まった夜。少し風のある肌寒い夜。
そんな夜。私は今宵も、「兄」に抱かれるーー
白銀のカーテンの隙間から覗く月光が、私の肢体を照らす。
「……んっ……はぁっ」
そして小さく漏れる声。
分からない。わからなかった。
「……っ」
何故私は今夜もこうして「彼」に抱かれているのか。
彼が身体を前後に動かす度、彼の片耳に付けられたシルバーのピアスが揺れる。
「もっ、……やめて……」
私は力無くそう懇願した。
だが彼は腰の動きを止めない。寧ろその動きは激しくなる一歩だった。
「……みかッ」
低く掠れた声で彼は言った。
その声に、薄らと瞼を開ける。
彼は額に汗を浮かべ、苦しげに私の名前を呟いていた。
きらきらと光る透明なその湿滴は、彼のシャープな顎を伝い、ポタリと私の胸元に落とされた。
(熱い。)
激しいこの行為と熱気に顔を歪める。
「あっ……」
腰を掴まれ奥を貫かれたことによる、思わず出た声。
それを聞いた彼は更に腰の動きを速めた。
(……いつから? いつからだろう、私達がこんな事をするようになったのは。)
火照る身体とは対照的に、頭は妙に冷静だった。だから私は、何時もそんな事を考える。
大好きだった。好きだった。
「みかっ……」
きっと私はこの男を誰よりも信頼していた。
「……んっ……ぁぁッ」
少なからず、好意は抱いていた……筈。
私は目をキツく閉じ、涙を流した。
彼が私の上で動く。彼は私を意味もなく求める。
まるで、それが当たり前であるかのように。
ーー両親が寝静まった夜。少し風のある肌寒い夜。
そんな夜。私は今宵も、「兄」に抱かれるーー