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Withdrawal Symptoms
第3章 突然の……
「お前、狡いよ。俺の気持ち少しは分かってよ」
そう言い俊哉は悲しそうな目を向けた。
もう、逃げてしまいたかった。
「ごめん、ごめんね」
そうひたすら誤る。けれど彼が納得してくれないのは分かってた。
「俺が聞きたいのはそんなんじゃねーよ!」
そう怒鳴られ、私は何も言えなくなった。
こんなに怒った彼は見たことがない。
「……」

公園には街灯が灯り、その周りだけが白い光を放っていた。
もう何時間こんな言い争いをしていたのだろう。
辺りはすっかり暗くなっていた。

目線を逸らすと、私の家にも明かりが点いていた。
一軒先の、すぐ斜め前にある私の家はこの場所からかなり近い。ハッキリ言って目と鼻の先にあるようなものだ。
こんな時間に言い争っていれば、近所の人にも迷惑だろう。公園の時計は8時を示していた。

「俊哉、今日はもう帰ろ。送ってくれてありがとね」
そう言い腕から逃れようとする。
けれど彼はそれをさせない。
「逃げんのかよ……」
その言葉が、私の胸に突き刺さる。
私は彼を見ずにその場から去ろうとした。
「離して」
そう言い彼の腕を振り払う。
こうするのが一番なんだ。例え想い合っていたとしても、駄目な恋もある。実らない恋だって、きっとあるんだ。
「分かった」
「え?」
彼は俯いたままそう言った。

そしてーー

「じゃあ最後にもっかいキス、させて。そしたら諦めるから、お前のこと」

その言葉を聞いてドクンと心臓が跳ねた。
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