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Withdrawal Symptoms
第4章 地獄の幕開け
「ただいま〜」
遠慮がちにドアを開け、リビングに向かってそう言う。
ブラウンのローファーを脱ぐ事さえも億劫に感じる程、私は疲れ切っていた。
ふと棚の上に目をやると霞草の花が、今朝見た時より萎れているのに気づいた。植木鉢を手に取ると、キッチンに行き水をあげてやった。
その時キッチンにいた母に声を掛けられた。
「遅かったじゃない、どこ行ってたの」
「……麻実んち」
そう言い鉢を持ってキッチンを出た。
って言ってもまだ8時半じゃん、全く、心配性なんだから。
リビングに戻ると途端にお腹が空いてきた。考えてみれば今朝は何も食べなかったし、お昼も結局食べ終える前に終わってしまった。残った焼きそばパンがカバンの中にある事を思い出し、私はハッとし青ざめた。
まあ、レンジでチンすれば大丈夫だよね……。
私はカバンからそれを取り出すとレンジに入れた。
お兄ちゃんはソファーに脚を組んで座りテレビを見ていた。
彼の部屋にはテレビも部屋にあるし、何故この時間にリビングにいるのか疑問に思ったが、気にしない事にした。
チン。
レンジが音を立て私に知らせた。
私は熱いそれを片手で摘むと、お皿に乗せた。半分食べかけのそれは不恰好で私は何とも言えない気持ちになった。
そのときテレビを見ていたお兄ちゃんがリモコンを乱暴にテーブルに置きスッとと立ち上がった。
その気配に私はビクッと反応した。テレビの音声が急になくなり、お兄ちゃんの近づいて来る足音が妙に鼓膜に響いた。心臓の鼓動のリズムに合わせて私は静かに呼吸を繰り返した。彼の気配がゆっくり近付く度、私は恐怖に震えた。
遠慮がちにドアを開け、リビングに向かってそう言う。
ブラウンのローファーを脱ぐ事さえも億劫に感じる程、私は疲れ切っていた。
ふと棚の上に目をやると霞草の花が、今朝見た時より萎れているのに気づいた。植木鉢を手に取ると、キッチンに行き水をあげてやった。
その時キッチンにいた母に声を掛けられた。
「遅かったじゃない、どこ行ってたの」
「……麻実んち」
そう言い鉢を持ってキッチンを出た。
って言ってもまだ8時半じゃん、全く、心配性なんだから。
リビングに戻ると途端にお腹が空いてきた。考えてみれば今朝は何も食べなかったし、お昼も結局食べ終える前に終わってしまった。残った焼きそばパンがカバンの中にある事を思い出し、私はハッとし青ざめた。
まあ、レンジでチンすれば大丈夫だよね……。
私はカバンからそれを取り出すとレンジに入れた。
お兄ちゃんはソファーに脚を組んで座りテレビを見ていた。
彼の部屋にはテレビも部屋にあるし、何故この時間にリビングにいるのか疑問に思ったが、気にしない事にした。
チン。
レンジが音を立て私に知らせた。
私は熱いそれを片手で摘むと、お皿に乗せた。半分食べかけのそれは不恰好で私は何とも言えない気持ちになった。
そのときテレビを見ていたお兄ちゃんがリモコンを乱暴にテーブルに置きスッとと立ち上がった。
その気配に私はビクッと反応した。テレビの音声が急になくなり、お兄ちゃんの近づいて来る足音が妙に鼓膜に響いた。心臓の鼓動のリズムに合わせて私は静かに呼吸を繰り返した。彼の気配がゆっくり近付く度、私は恐怖に震えた。