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Withdrawal Symptoms
第4章 地獄の幕開け
その晩、私は朝までひたすら泣き続けた。
殴られた顔の痛みと、蹴られた肩の痛み。
その両方が重なり、彼に抱かれた時よりも、激しい痛みを来たしていた。
あんな扱いをされると分かっていたなら、少しは嘘を言った? 思ってもない事を言った? "あなたとのキスの方が気持ち良いよ”って。
けどそんなの……やっぱりありえない。
気持ち良い筈がないもの……。
あんな無理矢理。覚えたのは不快感と嫌悪感だけ。
お兄ちゃんなんて嫌い。大嫌い。
ーーあんな最低な男、消えちゃえばいい。
そう心の中で呟き私はベッドに包まった。
けれどこの夜は単なる“始まり”にしか過ぎなかったんだ。
地獄の始まりにしかーー
この時の私はまだ、本当の苦しみを知らない。