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Withdrawal Symptoms
第5章 あなたの体温
その人物は体育座りをしていた私のすぐ横で足を止めた。
短パンと下腹部に挟まれた可愛いミニタオルが下にいた私の視界に映った。
その人物は無言で私の隣に腰を下ろした。香水の甘い香りがサラッと揺れた彼女の髪から少し匂った。
「みーか」
彼女は私を見てニコリと笑った。その自然な表情さえも 妖艶で美しい。多少化粧をしているのか長い睫毛はくるんと上を向いている。天まで届きそうな、そんな勢いだ。
私が暫く見惚れていると彼女は口を開いた。
「……昨日の、事なんだけど」
ザワザワと声援やら笑い声やらがうるさい中でたった一つ、私の耳を貫いた甘く、艶やかな声。
私の心臓はドキリとした。
「……うん」
彼女の綺麗に巻かれた茶髪の髪は今、一つに纏められていた。それは風が吹く度に揺れていた。
ハッと見惚れていた時、彼女が遠慮がちに口を開いた。
「……もしかして、"ヨリ戻そう"とか、言われたりした?」
うっ、。
ず、図星を突かれて否定するにも言葉が出てこない。
黙っていると彼女が言った。
「やっぱり。……まあそんな事だろうと思ってたけどねぇ〜あーあ、でもなんか、ショック」
「え?」
私は寂しそうに笑う彼女を驚いて見た。