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やさしいんだね
第4章 ロストバージン
永遠にも思えた5時間目終了のチャイムが鳴り、いつものようにやる気があるのかないのかさっぱり分からない八田のホームルームを聞き流し、号令ののち、急いで教室を飛び出した。
そして、家とは真逆の方向に足を急ぎ、人気の少ないコンビニのまえに駐車していたソンのワンボックスの窓を叩いた。
ソンは顔の上に乗せていたスポーツ新聞をのけると、小百合を見るなりニヤリと笑って、そして反対側に回ってドアを開けた小百合に例のごとく寒気のするようなお世辞を挨拶がわりにべらべら述べ立てた。
「おひさしぶりでございますうぅー!今日は待ちに待った約束の日でございますねぇー!」
ソンはエンジンをかけると、すぐに車を発信させた。
すると珍しく小百合はシートベルトを掛けながらソンの横顔を覗き込んだ。
「ねぇ、コーヒー奢ってくれない?」
語尾に上機嫌が滲んでいる。
ソンはそれに合わせて大げさに頷いて見せ、
「はい!喜んで!」
と言って、駅前に向かって車を走らせた。
そして、家とは真逆の方向に足を急ぎ、人気の少ないコンビニのまえに駐車していたソンのワンボックスの窓を叩いた。
ソンは顔の上に乗せていたスポーツ新聞をのけると、小百合を見るなりニヤリと笑って、そして反対側に回ってドアを開けた小百合に例のごとく寒気のするようなお世辞を挨拶がわりにべらべら述べ立てた。
「おひさしぶりでございますうぅー!今日は待ちに待った約束の日でございますねぇー!」
ソンはエンジンをかけると、すぐに車を発信させた。
すると珍しく小百合はシートベルトを掛けながらソンの横顔を覗き込んだ。
「ねぇ、コーヒー奢ってくれない?」
語尾に上機嫌が滲んでいる。
ソンはそれに合わせて大げさに頷いて見せ、
「はい!喜んで!」
と言って、駅前に向かって車を走らせた。