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泡のように
第16章 15.
「ほんとに?」

 とんでもないことを平気で言い放つ先生の首に回した腕をほどくほどの理性はもう、持ち合わせていない。

「ほんとに、私のこと好き?」

 というより、最初から理性などなかったのだろうか。

「ほんとに、私のこと嫌いになってない?」

 でなければ、もしかしたら最初から、先生を選んだりしなかったのかも知れない。

「ほんとに一生、死ぬまで、好きでいてくれるの?私のこと」



 ああ、そうか、分かった。
 簡単なことだった。
 どうして秋芳先生だったのか。
 


「山岸はマジでバカだよな。こんないい女、手放したくても、手放せるわけないだろ。あーあ、お前が生理でなきゃな。お前の兄貴はこーゆー時、どうしてた?ハハ・・・」




 先生は、私と同じくらい寂しい人なんだ。
 私と同じような人なんだ。
 だから、秋芳先生を選んだんだ。
 って。


 
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