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泡のように
第19章 18.
 ヘッドライトの消えた薄暗い路地では、お兄ちゃんの瞳は真っ黒に見えた。

「そ、そんなに、知りたいの?」
「知りたい」
「知って・・・何もいいことなんて、ないよ」
「それでもいい。教えてよ。もう隠し事なんかしないでよ」

 暗闇に輝く瞳が私の瞳を長いあいだ捉え、視線が外れたとき、お兄ちゃんは口を開いた。

「に、兄ちゃんの、妹だよ。レイナが生んだ、レイナの兄貴の、2人目の子供。それだけのことだよ」



 分厚い雨雲が夜空一面をどんより暗く覆っている。
 お兄ちゃんの言うとおり、明日は雨が降るだろう。
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