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泡のように
第21章 20.
アキホの言う「母さん」が、お兄ちゃんの実の母親であるレイナのことだと、話の流れではわかっているのに、理解するのに時間が掛かった。
ぐるぐるぐるぐる、頭の中で疑問符が回る。
そんな私の前方で、お兄ちゃんはハンドルを握ったまま呟くように言った。
「何度も言うけど、ち、智恵子とのこと、お母さんには黙っといてくれよ。余計な心配は掛けたくないし・・・そ、それに、智恵子の、気持ちってもんもあるから、あまり、触れないでほしい。俺たち、終わってるから、すでに」
実の妹にすら、お兄ちゃんはやっぱりお兄ちゃんだった。
アキホは高笑いして、煙草のソフトケースを握りしめている。
「終わったなんてツラには見えないけどな。おっと、コンビニに寄ってよ!煙草が切れそうだよ!さっきの道にあっただろ!」
せっかくUターンしたあとだったのに。
哀れなお兄ちゃんは、再び、同じ道を逆戻りするハメになった。
ぐるぐるぐるぐる、頭の中で疑問符が回る。
そんな私の前方で、お兄ちゃんはハンドルを握ったまま呟くように言った。
「何度も言うけど、ち、智恵子とのこと、お母さんには黙っといてくれよ。余計な心配は掛けたくないし・・・そ、それに、智恵子の、気持ちってもんもあるから、あまり、触れないでほしい。俺たち、終わってるから、すでに」
実の妹にすら、お兄ちゃんはやっぱりお兄ちゃんだった。
アキホは高笑いして、煙草のソフトケースを握りしめている。
「終わったなんてツラには見えないけどな。おっと、コンビニに寄ってよ!煙草が切れそうだよ!さっきの道にあっただろ!」
せっかくUターンしたあとだったのに。
哀れなお兄ちゃんは、再び、同じ道を逆戻りするハメになった。