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泡のように
第22章 21.
レイナの家は、修学旅行のガイドブックを買いに訪れた、駅前の新しい大型ショッピングモールのすぐ隣に建つ、新築の高層マンションだった。
ただし、住んでいるのは2階だったけれど。
「高層の意味なし」
お兄ちゃんは当たり前のように駐車場に車を停めて、いつものように念入りにロックを確認しながら呟いた。
アキホが笑う。
「だろ?ふつう、バカと煙は高いところを好むはずだけどな」
「・・・その理屈だと、父さんと母さんは、バカ以下ってことになるよ」
「その通りだろ、ハハハ!」
「あ、俺、手ぶらだ」
「いいよ。おまえの妹が手土産みたいなもんだし。つうか今更気にしなくたっておまえいつも手ぶらじゃねぇか。へへ。おい、早く来いよ。置いていくぞ」
アキホはピッタピタのスキニージーンズに合わせたハイヒールをカッカッ鳴らせながら颯爽とコンクリート剥き出しの駐車場を通り抜け、エレベーターホールに向かった。
形のいいお尻をぷりんぷりんと揺らしながら、当たり前のようにお兄ちゃんと腕を組んで、ね。
「母さん喜ぶぞ。いつだって智恵子に会いたがってたから」
エレベーターの中でアキホは、そう言って私にくしゃっとした笑顔を向けた。
ただし、住んでいるのは2階だったけれど。
「高層の意味なし」
お兄ちゃんは当たり前のように駐車場に車を停めて、いつものように念入りにロックを確認しながら呟いた。
アキホが笑う。
「だろ?ふつう、バカと煙は高いところを好むはずだけどな」
「・・・その理屈だと、父さんと母さんは、バカ以下ってことになるよ」
「その通りだろ、ハハハ!」
「あ、俺、手ぶらだ」
「いいよ。おまえの妹が手土産みたいなもんだし。つうか今更気にしなくたっておまえいつも手ぶらじゃねぇか。へへ。おい、早く来いよ。置いていくぞ」
アキホはピッタピタのスキニージーンズに合わせたハイヒールをカッカッ鳴らせながら颯爽とコンクリート剥き出しの駐車場を通り抜け、エレベーターホールに向かった。
形のいいお尻をぷりんぷりんと揺らしながら、当たり前のようにお兄ちゃんと腕を組んで、ね。
「母さん喜ぶぞ。いつだって智恵子に会いたがってたから」
エレベーターの中でアキホは、そう言って私にくしゃっとした笑顔を向けた。