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泡のように
第23章 22.
パパに会ってくでしょう?
レイナの問いかけに対し首を横に振ったのは、お兄ちゃんだった。
「どうして?この前も、この前もこの前も、会っていかなかったじゃない」
レイナはしつこくお兄ちゃんに「今日は残業もなくて早く帰ってくるから」とか「パパも篤志に会いたがってるし、それに智恵子ちゃんにも」と食い下がったけれど、陰気な顔は最後まで首を縦には振らなかった。
別れ際、アキホは尻のポケットから名刺ケースを取り出すと、中から1枚名刺を取り出して私に差し出した。
「アタシさー、こう見えて、つうか見た目のまんまかもだけど、この近くでダンナとヘアサロンやってんの。まぁヘアサロンつうか、ダンナのタトゥスタジオがメインだからおまえみたいな真面目そうなガキはあんま来ねぇけどな。篤志の髪もいつも切ってやってるから、おまえも今度来いよ。タダにはしねぇけどな。ハハハ!」
と言いながら。
レイナの問いかけに対し首を横に振ったのは、お兄ちゃんだった。
「どうして?この前も、この前もこの前も、会っていかなかったじゃない」
レイナはしつこくお兄ちゃんに「今日は残業もなくて早く帰ってくるから」とか「パパも篤志に会いたがってるし、それに智恵子ちゃんにも」と食い下がったけれど、陰気な顔は最後まで首を縦には振らなかった。
別れ際、アキホは尻のポケットから名刺ケースを取り出すと、中から1枚名刺を取り出して私に差し出した。
「アタシさー、こう見えて、つうか見た目のまんまかもだけど、この近くでダンナとヘアサロンやってんの。まぁヘアサロンつうか、ダンナのタトゥスタジオがメインだからおまえみたいな真面目そうなガキはあんま来ねぇけどな。篤志の髪もいつも切ってやってるから、おまえも今度来いよ。タダにはしねぇけどな。ハハハ!」
と言いながら。