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泡のように
第4章 3.
 知識欲を満たせば物欲は消える。
 お母さんの口癖だ。もとはお父さんの口癖だったらしい。そんな親のもとで育ったから、私は物欲があまりない。
 だって、セーラー服を着ている自分が今のところ一番価値があるわけで。
 いくらクラスメートが休日に着ているような可愛い洋服を買ってもらったって、どうせ先生はセーラー服を着ている私しか抱かないはずだ。
 だったらそんな無駄なものいらない。
 知識欲、とはかけはなれているけれど。
 私は大きな背中に腕を回せればそれでいい。
 昔からそうだ。
 男に抱き締められたら満たされる。
 大好きだよって言ってもらえたら、他には何もいらない。
 こういうのは性欲に分類されるのだろうか。






 山岸はとんでもない淫乱だと、いつもの先生に戻って笑う。
 私と付き合う前に先生が交際していた愛梨という生徒は、先生に散々金を遣わせたそうだ。
 愛梨に比べたら山岸のが可愛いし素直だし擦れてないし何も欲しがらないし、なによりとことんエロくて淫乱だよ、それこそ骨の髄からな。セックスが人生の中心になっちまったんだな、マジで俺がいなくなったらどうやって生きる?生きれんの?って、相変わらずおっぱいをしつこくいじくりながら言っていた。

 淫乱?セックスが人生の中心?

 自分では、よく分からない。
 何もいらない、何も買ってくれなくていいから、嫌いにならないで、飽きないで、ずっと私を抱いて。
 それに対する同等の返答があれば、私には何も必要ない。ってだけ、なんだけど。





 先生大好き。
 太い腕の中で口走ったあと、心の中が自分でも驚くほど冷たくなる。
 昔、暗がりの中腕を回した背中は、これくらいの大きさだった。
 本当は先生になんか言ってない。
 本当はずっと、違う背中に言ってる。




 物品を買い与えて良心の呵責から逃れようとした先生と、身体を差し出して愛情を得ようとする私は、同等だ。




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