この作品は18歳未満閲覧禁止です

  • テキストサイズ
泡のように
第28章 27.
「・・・なんて、わかったように君に口利いてるけど。俺の本音としては、なにもかも、ほんとうに、どうだっていいことなんだよねぇ」

 哀れな私の腹は、我に返ったかのように、グーッと低い音を立てた。

「篤志のことも、アキホのことも、レイナのことも。もちろん君にも、生徒にも、ぜんぜん、興味ないよ。あるふりして生きるのが有利だからそう生きるだけ。俺はね、そういうふうにしか、生きれないんだ。ごめんねぇ。こんなバカで最低なやつが、君の大好きなお兄ちゃんの、本当のお父さんで」

 静寂を切り裂く、腹の音。


「あれ?お腹空いてたんだ」


 そうか。
 佐伯さんにならなんでも話せると思っていたのは。

 佐伯さんが、私に、興味がなかったからか。
 関心があるふりをして、ただ、宗教の勧誘をしたかっただけ。

 私も、佐伯さんの下心を利用して、佐伯さんを利用していただけ。

 おかしいな。
 最初からわかってたはずなのに。
 どうして、いま初めて、気付いたんだろう。


「ごめんね。ぜんぜん、気付かなかったよ」


 
 おじさんは、また、私と目も合わさずに、ニッコリ笑った。



/324ページ
無料で読める大人のケータイ官能小説とは?
無料で読める大人のケータイ官能小説は、ケータイやスマホ・パソコンから無料で気軽に読むことができるネット小説サイトです。
自分で書いた官能小説や体験談を簡単に公開、連載することができます。しおり機能やメッセージ機能など便利な機能も充実!
お気に入りの作品や作者を探して楽しんだり、自分が小説を公開してたくさんの人に読んでもらおう!

ケータイからアクセスしたい人は下のQRコードをスキャンしてね!!

スマートフォン対応!QRコード


公式Twitterあります

当サイトの公式Twitterもあります!
フォローよろしくお願いします。
>コチラから



TOPTOPへ