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泡のように
第33章 32.
「お兄ちゃんだけは私を好きでいて欲しくて、どうしようもなくて、こんなの愛じゃないって、ただの依存とか、そういうのだってわかってるのに、どうしようもなくて、妊娠したらお兄ちゃんが今度こそ私をほんとに愛してくれるかなとか浅はかに考えて。私がお兄ちゃんを好きでいるせいで、執着してるせいで、お兄ちゃんは私にこんなことして、全部私のせいで」

 先生、ごめんね。

「15歳のとき、お兄ちゃんは私と別れようって、終わりにしようって言って、お兄ちゃんの心の中にあった理性で私を守ろうとしてくれたのに、私がこんなふうにやらしくてバカだからお兄ちゃんの心を掻き乱して、おかしくさせて、だからこんなとこにまできて、先生にまで迷惑かけて、私が全部悪いの。お母さんや先生が言うとおり私が全部悪いの。私が生まれてこなければお兄ちゃんはまともな人間になってて、先生もこんなふうに授業サボッてこんなバカな女子高生の話を聞くために中庭で煙草を吸うような人にはならなかったはずなのに、私がいるから、みんなおかしくなって」

 本当に、ごめんね。

「もっとほんとのとこ言わせて、私ね、先生の言うとおりセックスが大好きなの。ほんとはお兄ちゃんのこと嫌いになるべきだってわかってるのにお兄ちゃんとのセックスを思い出すと我慢できなくなるの。お兄ちゃんが私を抱きしめて、あのでっかい身体でさ、あの唇とか指とか、胸毛とかさ、太腿のとこの毛とかいろいろ、お兄ちゃんのすべてでさ、私を気持ちよくさせて、それで、それでね・・・」

 こんなわがままな女で、本当に、ごめん。

「私に好きだって・・・嘘でも好きだって言ってくれたら、頭がおかしくなるくらいね、気持ちよくなるの」

 こんな最低な女で、本当に、ごめん。

「どうしようもないくらい気持ちよくなるから、それをわかっているから、今まで言えなかった。もう2度とこんな気持ちにさせてくれる人が手に入らないんじゃないかって怖くて言えなかった」

 謝るから、先生、私を・・・・。

「だから私ね」

 私を・・・・。












「助けてって、お願い誰か助けてって、痛くて苦しくてつらいんだよって、死にそうなくらい惨めで辛くてたまらないんだって、認めたら何もかも失ってしまいそうで怖くて、今まで・・・誰にも、言えなかったの」







 助けて。





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