この作品は18歳未満閲覧禁止です

  • テキストサイズ
泡のように
第35章 34.
 こんなかたちで私の名前を何度も呼ぶなら、もっと違う形で呼んでくれたらよかったのではないだろうか?
 こんなに電話してくるなら、もっと違う形で電話をくれたらよかったのではないだろうか?
 こんなに私に執着するくらいなら、最初からその執着心を貫き通せばよかったのではないだろうか?

 

(おい、いるんだろ?)




 私の心を揺らさないくらい、強い精神力で。




(智恵子!開けろ。いるのは分かってんだぞ)






 それが執着心だと気付かせないくらいの情熱で。



 

(智恵子!おい、智恵子!)






 それが、イカレてるとも気付かないくらいの欲望で。








「わかってるよ。お兄ちゃん」









 鍵の回る音ののち、水を打ったような静寂が橙色を包んだ。
 ふわっと室内に入り込む秋のそよ風と。
 相変わらず、陰気な表情でいる、お兄ちゃんの眼差しと共に。


/324ページ
無料で読める大人のケータイ官能小説とは?
無料で読める大人のケータイ官能小説は、ケータイやスマホ・パソコンから無料で気軽に読むことができるネット小説サイトです。
自分で書いた官能小説や体験談を簡単に公開、連載することができます。しおり機能やメッセージ機能など便利な機能も充実!
お気に入りの作品や作者を探して楽しんだり、自分が小説を公開してたくさんの人に読んでもらおう!

ケータイからアクセスしたい人は下のQRコードをスキャンしてね!!

スマートフォン対応!QRコード


公式Twitterあります

当サイトの公式Twitterもあります!
フォローよろしくお願いします。
>コチラから



TOPTOPへ