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泡のように
第8章 7.
 二度目は去年の夏だ。
 何の前触れもなくウチに来たお兄ちゃんは、私以外誰もいないと知るとすぐに私を畳の上に転がした。生理中だったのに構いもせず乱暴に私を抱いて、泣きたいのは私だったのに、終わってからなぜかお兄ちゃんが泣いていた。
 意味不明な行動だと思った。
 私をストレスとか悲しみのはけ口にするなよと。
 でも、あの時だって私はお兄ちゃんを抱き締めて、受け入れたのに。

 なぜ、お兄ちゃんは私を引き寄せておいて突き放すんだろう。
 私の気持ちを知っているくせに、足元に金を叩きつけて、俺にはそんな気ないよ。って言い放つ。

 次は抵抗したらいいのか?
 おっさんにするように、やめてって叫べばいいのか?

 おっさんとのセックスは死ぬほど嫌なのに、どうしてお兄ちゃんは受け入れてしまうんだろう。
 そればかりか、待ち焦がれてしまうんだろう。

 まだ、ほんのすこしお兄ちゃんの心の中に私が残っている。

 私って存在が。

 卑屈すぎる存在価値。

 けれど、私にとって何よりも生きててヨカッターって思う瞬間。



 こんな自分もう嫌だ。
 頭の片隅では思う。

 けれど心の大部分は未だにお兄ちゃんの存在で占めていて、先生の存在があってすら埋められていない事実に恐ろしくなる。

 それほどまでに、お兄ちゃんと過ごした5年間が強く私を縛り付けている。

 10歳の時、はじめて私を抱いた20歳の時のお兄ちゃんが、記憶の中の愛情という鎖で、私を強く縛り付けている。



 ああ、そうだ。
 お兄ちゃんがお父さんとの約束を必死に守っている、それに近い感覚で。
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