この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
泡のように
第8章 7.
二度目は去年の夏だ。
何の前触れもなくウチに来たお兄ちゃんは、私以外誰もいないと知るとすぐに私を畳の上に転がした。生理中だったのに構いもせず乱暴に私を抱いて、泣きたいのは私だったのに、終わってからなぜかお兄ちゃんが泣いていた。
意味不明な行動だと思った。
私をストレスとか悲しみのはけ口にするなよと。
でも、あの時だって私はお兄ちゃんを抱き締めて、受け入れたのに。
なぜ、お兄ちゃんは私を引き寄せておいて突き放すんだろう。
私の気持ちを知っているくせに、足元に金を叩きつけて、俺にはそんな気ないよ。って言い放つ。
次は抵抗したらいいのか?
おっさんにするように、やめてって叫べばいいのか?
おっさんとのセックスは死ぬほど嫌なのに、どうしてお兄ちゃんは受け入れてしまうんだろう。
そればかりか、待ち焦がれてしまうんだろう。
まだ、ほんのすこしお兄ちゃんの心の中に私が残っている。
私って存在が。
卑屈すぎる存在価値。
けれど、私にとって何よりも生きててヨカッターって思う瞬間。
こんな自分もう嫌だ。
頭の片隅では思う。
けれど心の大部分は未だにお兄ちゃんの存在で占めていて、先生の存在があってすら埋められていない事実に恐ろしくなる。
それほどまでに、お兄ちゃんと過ごした5年間が強く私を縛り付けている。
10歳の時、はじめて私を抱いた20歳の時のお兄ちゃんが、記憶の中の愛情という鎖で、私を強く縛り付けている。
ああ、そうだ。
お兄ちゃんがお父さんとの約束を必死に守っている、それに近い感覚で。
何の前触れもなくウチに来たお兄ちゃんは、私以外誰もいないと知るとすぐに私を畳の上に転がした。生理中だったのに構いもせず乱暴に私を抱いて、泣きたいのは私だったのに、終わってからなぜかお兄ちゃんが泣いていた。
意味不明な行動だと思った。
私をストレスとか悲しみのはけ口にするなよと。
でも、あの時だって私はお兄ちゃんを抱き締めて、受け入れたのに。
なぜ、お兄ちゃんは私を引き寄せておいて突き放すんだろう。
私の気持ちを知っているくせに、足元に金を叩きつけて、俺にはそんな気ないよ。って言い放つ。
次は抵抗したらいいのか?
おっさんにするように、やめてって叫べばいいのか?
おっさんとのセックスは死ぬほど嫌なのに、どうしてお兄ちゃんは受け入れてしまうんだろう。
そればかりか、待ち焦がれてしまうんだろう。
まだ、ほんのすこしお兄ちゃんの心の中に私が残っている。
私って存在が。
卑屈すぎる存在価値。
けれど、私にとって何よりも生きててヨカッターって思う瞬間。
こんな自分もう嫌だ。
頭の片隅では思う。
けれど心の大部分は未だにお兄ちゃんの存在で占めていて、先生の存在があってすら埋められていない事実に恐ろしくなる。
それほどまでに、お兄ちゃんと過ごした5年間が強く私を縛り付けている。
10歳の時、はじめて私を抱いた20歳の時のお兄ちゃんが、記憶の中の愛情という鎖で、私を強く縛り付けている。
ああ、そうだ。
お兄ちゃんがお父さんとの約束を必死に守っている、それに近い感覚で。