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傍にいてもいいの?
第10章 決戦日
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「笹倉くん。申し訳ないけれど....君には暫く此処に居て貰うよ。邪魔をされたくないのでな」
「きっとひとりでは時間を持て余すでしょう?だからそのテレビ、つけても良いわよ。
私と佑典さんの婚約披露、このテレビに流してもらうから。しっかり観ておきなさいね」
そう言って、専務と由梨子さんは部屋から出ていった。
此処は、健一と大輔に呼び出されたときに教えてもらった佑典さんがお見合いをすると言っていたホテル。
あたしは昨日、呼び出された時に
『佑典さんのことは諦めません!』
と、言ってしまったため....その直後から軟禁されております。
唯一持っていたスマホも奪われました。
閉じ込められている部屋は、スイートルームらしくて広々してるから軟禁されてる感は全くなし。
食材はあるから食べ物にも困らない。
昨夜はお風呂も入れたし。
「佑典さん........心配してるだろうなぁ」
ソファーに寝転んで、ポツリと呟く。
佑典さん....今、何処にいるの?
佑典さん....今、何してるの?
佑典さん........会いたいよぅ........。
佑典さんのことを考えていると視界が歪む....。
瞬きをすると、潤んだ目から涙が零れた。
「泣くな!泣いちゃダメ!佑典さんは、必ず来てくれる。助けてくれる。大丈夫、あたしは頑張れる!」
手の甲で涙を拭って、落ち込む心に渇を入れる。
「きっと、静かだから気分が滅入っちゃうんだよね。佑典さんが来てくれるのを信じて、テレビ見ながら待ってよっかな。
何か観れそうなドラマとかないかなぁ~」
リモコンに手を伸ばしてスイッチを入れる。
お行儀悪いけれど、寝転んだままチャンネルを変えて観たいものを探す。
「どれにしようかなぁ~~」
ポチポチとチャンネルボタンを押していくと、一番観たくない映像が映し出された。