この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
傍にいてもいいの?
第10章 決戦日
『ゆ、佑典さん?』
由梨子さんが佑典さんの腕をつかんで詰め寄る。
すかさず浅川社長も佑典さんを睨み付けて声を荒げる。
『内藤君!君は何を言っているのか解っているのか?』
専務も駆け寄ってきたけれど、佑典さんは澄まし顔。
『もちろんです。出来ないものを出来ないと言って何が悪いのですか?』
『兄さん!これはどういう........』
『いや....まさか、内藤君が........』
専務と浅川夫人は騒ぎ出す来賓客など気にもせず兄妹喧嘩になりそうな雰囲気。
会場内もざわめき出し、収拾がつかなくならそうなときマイクの音量が増し浅川社長の大きな声が鳴り響く。
『内藤君!我々をなんだと思っているんだね!由梨子や私の顔を潰すきかね?この縁談を断ると君の立場もどうなるかわからないんだよ?』
舞台上では専務と妹さんの言い合いが始まって........その横では浅川社長と由梨子さんが佑典さんを問い詰めてる。
騒がしいのは舞台上。
それを見ていた来賓客などは少しずつこの騒動について語りだし、騒然としてきた。
その空気を一瞬で静かにさせたのは専務でもなければ浅川社長でもなく........佑典さんでもなくて........
『『『お静かに願います!!』』』
『なんだね?君たちは!』
『邪魔をするものは退席させるぞ!』
専務と浅川社長はその声の主たちに大声を放つ。
どこかで見た顔だなぁ~
何て思いながらテレビ画面を観ていたら佑典さんが
『私の仲間です。今回のことでは大変良い働きをしてくれました。彼等の話を聞いたらこんなところで喧嘩などしている暇などないと思いますが?』
聞いたことのない冷たい声で二人を制した。