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傍にいてもいいの?
第11章 傍にいてもいいの?
「え?おじさん?」
「ん?そうだよ。浅川社長が怒らせたの、俺のおじさん。といっても、父方の祖父の一番下の弟なんだよね。祖父と20歳近く離れているから父親みたいなもんだよ」
「佑典さんって........御曹司とか?それくらいすごい人なの?」
抱き締められたままそう呟くと、
「御曹司だと俺のこと嫌いになる?」
質問返しをされてしまった。
「え?ならないよ!だって......」
「だって、なに?」
くいっとあげられた顔は佑典さんの目と合って、反らすことを許されない。
重なる視線は金縛りにあったみたいに外すことが出来ない。
「ひとみ?」
包まれた頬は赤みを帯びていくのがあたしでもわかる。
『早く教えて?』
なんて、佑典さんが言わなくてもわかる。それくらい射ぬかれる視線。強められた抱き締めている腕。
ゴクリと唾液を飲み込む音が聞こえるくらい緊張。
きっと、あたしが言うまで佑典さんは離してくれないよね。
目を閉じて、ふぅーと息を吐いて、あたしは伝えた。
「....佑典さんが、好き。佑典さんの傍にいたい........」
『の』って言おうとしたら、佑典さんが唇を塞いできた。
さっきまでしていたのに。
また、からだの中心が熱を持ち、佑典さんのことを欲しがってしまう。
「ひとみ....」
「ンッ....なぁに?」
「もう一回、シテいい?」
『ダメだよ....』
って言う前に、佑典さんはいつもの小箱に手を伸ばして、あたしを甘く包んでとろけさせる。
抱かれて、眠って、また抱かれる。
そんな一日を過ごした。
ずっと佑典さんがあたしの中にいたから、いない方が不自然で寂しく感じてしまった。
けど、これは佑典さんには秘密。
だって、ね。
そんなこと言ったら、今度は寝かせてもらえないかもしれないもん........。