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傍にいてもいいの?
第11章 傍にいてもいいの?
「ん~?」
「部長?」
「ん~?」
「佑典さん....」
「なに?」
「意地悪ぅ........」
胸元にある佑典さんの左腕をつかんで俯いたら涙が零れた。鼻をすすると佑典さんの溜め息が聞こえて
「ひとみがツレないこと言うからだろ?」
って言葉と一緒に優しくキスされた。
「....だって、もう一仕事って....」
「冗談。ひとみがどんな顔するのか見たかったから」
「冗談....なの?」
「そう。だから、一緒に帰るよ」
あたしを抱き締めていた腕は解かれて、新しく繋がれた手はギュッと握られてから甲にキスされた。
「ほら、行くよ」
軽く引っ張られて、やっとあたしの足が動き出す。
連れてこられたのは地下駐車場。
今朝も一緒に乗ってきた佑典さんの車の前。
助手席のドアが開けられて、あたしを先に乗せてから佑典さんが乗り込む。
「お腹すいたでしょ?軽く食べたらドライブするよ」
エンジンをかけてゆっくり走り出した車は夜の街へと消えていく。
到着したのはイタリアンレストラン。
個室もある静かな店。薄暗い店内が心地よい音楽を響かせていた。
「お任せでもいい?」
「はい。出来ればお野菜多目で........」
「了解」
佑典さんが注文してくれた料理はどれも美味しそう。
サラダもこの一皿で20品目取れるようにたくさんの緑黄色野菜がひじきと大豆と共に混ざりあってる。
デザートは豆腐のチョコレートムース風。カロリーを気にする女性に大人気なんだって。本物のムースよりカロリーは半分以下なんだもん。
「ご馳走さまでした」
「うん。ご馳走さま」