この作品は18歳未満閲覧禁止です

  • テキストサイズ
傍にいてもいいの?
第11章 傍にいてもいいの?

「ひとみ、行くよ?」


腰に手を回され、手を引かれて歩き出そうとする。
けれど、あたしの心は拒否反応。


「や....いや、行きたくない」


あの広いホテルの部屋で感じた悲しい気持ちが蘇る。
最後は佑典さんが迎えに来てくれたけれど........。あの日、あの部屋で苦しめられた負の感情を思い出すと悲しくなる。


いま、あたしの隣に居るのが佑典さんだとしても。あの日の記憶は、あたしを暗闇に引きずり込む。
浅川社長や由梨子さんの言葉が頭の中でリプレイしていく。


思い出したくないのに........
こんな辛い記憶、消えてなくなればいいのに........


二の足が出ないあたしは、佑典さんのジャケットを握りしめてお願いをする。


「佑典さん、ごめんなさい。ここは....「だからだよ」


あたしの言葉に重なるように佑典さんが一言。
見上げた佑典さんの顔はとても優しかった。


「そのひとみの記憶を楽しくて嬉しいものにしたくて連れてきた。今は辛いかもしれないけれど........少しだけ。頑張ってくれないかな?」


掛けられた言葉もあたしを想ってのもの。
なにも言えずにただ見つめていると、いつものように優しく頬を撫でてくれた。


「約束する。ひとみにとって幸せな時間をプレゼントするよ」


「ほ....ほんとに?」


「もちろん。大切なひとみに嫌な思いはさせない。だから、俺を信じてくれる?」


抱き寄せる腕が強くなり、密着度が増す。そうなると、必然的に佑典さんとの顔が近づいてしまう。
ここまで近いと、きっとあたしの顔は赤くなってるはず。


「ひとみ?」


「な、なんですか?」


「ドアマンがずっと待っていてくれてるんだけど........そろそろ歩けるかい?」


「え?」


そう言われて後ろを振り向けば、とても困惑したドアマンの姿が........。


「内藤さま。キーをお預かりいたします」


「あぁ、頼むよ。いつもありがとう」


「失礼致します」


佑典さんがキーを渡すと、今までのっていた車は地下駐車場へと消えていった。



/137ページ
無料で読める大人のケータイ官能小説とは?
無料で読める大人のケータイ官能小説は、ケータイやスマホ・パソコンから無料で気軽に読むことができるネット小説サイトです。
自分で書いた官能小説や体験談を簡単に公開、連載することができます。しおり機能やメッセージ機能など便利な機能も充実!
お気に入りの作品や作者を探して楽しんだり、自分が小説を公開してたくさんの人に読んでもらおう!

ケータイからアクセスしたい人は下のQRコードをスキャンしてね!!

スマートフォン対応!QRコード


公式Twitterあります

当サイトの公式Twitterもあります!
フォローよろしくお願いします。
>コチラから



TOPTOPへ