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傍にいてもいいの?
第11章 傍にいてもいいの?
「佑典さん、車って....」
「あぁ、一応お得意様だからね」
........。
お金持ちさまの一面を知りました。
「ひとみ....」
「?」
「ここさ、例のおじさんの管轄下にあるホテルなんだよ。だから、おれは身内待遇?みたいな....ね」
「....やっぱり、御曹司?」
「....ノーコメントね。さ、行くよ」
やっと歩き出したあたしの足は佑典さんに支えられたままの上半身を運んでくれる。
自動ドアが開かれてそのまま進むと、大きなクリスマスツリーに出迎えてもらえた。
カラフルに飾られたそのツリーを見上げて
『大きいなぁ~』
『子供の頃に飾り付けしたなぁ~』
なんて思っていると
「ひとみもツリーが欲しいの?ん~流石にこれは買ってあげられないかな........」
佑典さんの視線も大きなクリスマスツリーに向けられていた。
「そんな....これは大きすぎます。いつか、子供ができて一緒に飾り付けが出来たら........とは思いますけど....」
『ピン!』
「いっ....「ひとみ、敬語」
佑典さんの容赦ないデコピンがあたしのおでこに命中。........程よく痛いのですよ?
一言もの申す....と、おでこを擦りながら口を開いたけれど........。
最後には言い負かされてしまいそうだから、開いた口は閉じました。
「フロントに行ってくるから、ひとみはここに座って待っていて」
普段座ることがない贅沢なソファーに腰を下ろすまで佑典さんはあたしの手を握っていてくれた。
腰掛けて見上げると、いつもの優しい微笑みがあたしに向けられていて、とても安心する。
「大人しく此処にいてよ?すぐに戻ってくるから」
『わかりました』
なんて言葉が出そうなところで慌てて飲み込み、佑典さんの言葉には頷いて答えた。
だってね、痛いのイヤだもん。