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傍にいてもいいの?
第11章 傍にいてもいいの?

黄色くて丸くたいフォルム。
タラコ唇のような大きなくちばしが特徴のひよこ。


「ひとみ、このキャラクターが好きだったよな?」


「うん.......」


ベッドにちょこんと座っているひよこに手を伸ばす。
あっ.....この手触り、ちょこっとお高いひよこだぁ。エプロンまでつけてるし。大きめで可愛い~。
しかもこれは、カフェシリーズのひよこだ。


佑典さんそっちのけで、あたしはひよこの人形をもきゅもきゅ抱き締める。
タラコくちばしを指で挟んだり、弾いたり。


「ぴよちゃん....可愛い....ん?」


エプロンの裏地は何色かな?なんて捲ってみたら、一枚のカードが挟まれていた。


「あれ?これ、なんだろう」


挟まれていたカードを抜き取り、裏返すと佑典さんが書いたであろう文字が。


『キッチンへ行って』


「キッチン?何があるんだろ?....ねぇ、佑典さん」


後ろにいるであろう佑典さんに聞いてみようと振り向けば、そこには誰もおらず........。
でも、ドアは開いたまま。


ひよことカードを少し探りを入れるようにひっくり返したり振ってみたけれど、特に細工はなくて。
まずは指示通りキッチンへ足を運ぶ。




「佑典さん?」


キッチンへ向かいながら声を掛けたけれど返事はなくて。
その代わりなのか、またひよこがポツンと置かれていた。
今度は夏使用に浴衣を着て団扇(うちわ)を持って。


「ぴよちゃん....今は冬なのに浴衣ですか?」


持っていたカフェスタイルのぴよちゃんを隣に置いて、夏祭り仕様のぴよちゃんを手にする。
と、団扇の裏側にカード発見。
今度の指示は........



『ベランダに来て』


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