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傍にいてもいいの?
第11章 傍にいてもいいの?

『コホン』と、咳払いをして一度視線を外すのは佑典さん。
真面目モードに切り替わったようです。


「ひとみ、聞いてくれるか?」


「うん」


「俺の傍にいて欲しいのはひとみだけ。俺が傍にいたいと思うのもひとみだけ」


「ん、あたしも」


もうその言葉だけで嬉しいです。
ほら、また涙が........。


「だからね、その証を二人で持ちたいんだ」


「証、を?」


頷いた佑典さんは、浴衣のぴよちゃんが下げていた小さな巾着袋を外してあたしの手のひらに置いた。


「開けてみて」


あたしの手からぴよちゃんを取り上げた佑典さんは『早く開けて』と急かしてくる。


何かが入っている感じはするけれど........なんだろう。1つじゃない。


袋の口を開けて手のひらに転がせば........カフスボタンと指輪が出てきた。
しかも、使われている石がお揃い。


「佑典さん........これって」


「ひとみ....俺は、ひとみとこの石に誓う。
君とこれから増えるであろう家族を人生をかけて守る。
幸せな時も辛い時も、笑顔でいて欲しい。俺の傍にいて欲しい。だから........」


佑典さんが少しの間をあける。
しゃがんだ佑典さんはぴよちゃんをあたしの足元に置いて、立て膝であたしの手を取ると


「笹倉ひとみさん、俺と......内藤佑典と、結婚してくれますか?」


『ぶわっ』
っと目を開けていられないくらいの大洪水。
え?いま、佑典さんって何を?
き、聞き間違えじゃ........ないよね?
目元を押さえて佑典さんを見つめれば、とても不安そうな顔。


「あたしが、傍にいてもいいの?」


「ひとみが俺の傍にいなければ、俺は死んでしまうよ?」


ち、ちょっと........それは言い過ぎだと思いますけど?


「ひとみ?」



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