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傍にいてもいいの?
第11章 傍にいてもいいの?
ヒュルルルルル――――――――――――
ドド――――――――ンンッッッ!!!!
暗闇に、一筋の光が打ち上げられて........数秒後には大輪の光の華が咲く。
とても大きな華が咲いた。
とても大きな音は、あたしの胸まで響き心を熱く震わせる。
きゅっと握りしめたのは、佑典さんのジャケット。
こんなとき、何て言えばいいの?
光の華が消えてしまっても、さっきまで咲いていた場所を見上げたままのあたし。
「ひとみの為に奮発したんだ。本当は、クリスマスにと考えたんだが........職人さんも忙しくてね。今日しか都合がつかなかったんだよ」
「佑典さん....」
声をかけられても、上手く言葉が出てこない。
だって、そうでしょ?
『プレゼント』って言われて、なにかと思えば花火なんだもの。
未だあたしの手の中にある指輪とカフスボタン。
きっと、これよりも何倍もの時間とお金........
「ひとみ、手を出して?」
くるりと回転させられて、あたしは、佑典さんと向かい合う。器用にブランケットをもあたしの背中に移動させて。
左手に握られたままのカフスボタンは右手に置かれ、残された指輪は佑典さんが摘まむ。
「ひとみ........この指輪、1度填めたら逃げられないから。もう、俺以外の男は愛せないよ?」
「佑典さん........」
「あ、違うか。........俺と、俺の遺伝子を持つ男以外は、かな?」
ゆっくりと薬指に滑り落ちる佑典さんの想い。
胸が『ギュウウッ』って締め付けられる。
苦しいけれど、これは幸せのせい。
だから、大丈夫。
「これは、ひとみが選んでくれたスーツに付けてくれるかい?」
佑典さんは、右手に置かれたままのカフスボタンを軽く突いた。
「うん、もちろん」
きっと、涙でぐちゃぐちゃな顔だけど........精一杯笑顔を作って何度も頷いた。
「ひとみ......」
「はい......」
「寒かっただろ?だから........今度は、身体も繋がろうか?」