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傍にいてもいいの?
第5章 惹かれていく心........
あたしの住むアパートが近づくと夜中なのにまだ少し騒がしさがあった。
野次馬もいるし、カメラを持っている人たちは取材に来てる人たちかな?
すぐ傍にはタクシーで行けそうもないから手前で降りる。
降りてから身体に感じる独特の空気感。
あたしはひとりで立っていることが出来なくなり、すぐ後ろで支えてくれる部長が居なかったら倒れているところだった。
「笹倉....歩けるか?」
言葉が出ず、コクりと頷くだけ。そんなあたしに寄り添う部長に促されてやっと一歩を踏み出す。
ドラマとかで観る黄色いテープが張られた奥で大家さんの姿を見つけたとき自然と涙が溢れてきた。
「笹倉さん!」
手招きしてくれる大家さんの声で近くにいた警察官が中に入れてくれた。
ペコリと頭を下げて部長と一緒にテープを潜る。
「大家さん....すみません、こんな夜中に........」
お礼を言いたいのにうまく言葉が出てこない。
それだけあたしの中で混乱しているってことなんだけど........。
そんなあたしの代わりに対応してくれたのがこの人。
「今晩は。大家さんですか?私は彼女の上司で内藤と言います。」