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傍にいてもいいの?
第5章 惹かれていく心........
「笹倉....必要なものだけもって帰るぞ。旅行鞄は何処にある?」
「え?鞄?ロフトに置いてありますけど....」
「大切なものだけ集めて荷造りだ。服も最低限にしておけ。あと、彼との想い出の品はすべて破棄しろ。泣いている暇はないぞ」
てきぱき指示を出す部長。大家さんと何を話したんだろう。
警察の方に許可をもらいあたしの部屋に入っていく部長。
「笹倉さん」
「大家さん....」
まだ動けずじまいのあたしに声をかけてくれた。
「今度の彼氏さんは頼もしい上司なんだねぇ~」
「え?彼氏?」
「そうだよ....今後の笹倉さんの事は『自分がすべて対処します』と言ってくれたよ。まぁ、ここにある物の処分も彼がすべて手配してくれるそうだよ。
修復にも時間がかかるからねぇ........これからは彼と、仲良くね。
落ち着いたらまた遊びにおいで。美味しい茶菓子用意しておくから」
そう言って、大家さんはまた警察の方と話を始めた。
「笹倉!此方に来れるか?荷物を仕分けるぞ」
大家さんの言葉を受け止めている最中に部長に声をかけられる。
「はい、今いきます!」
返事をして部長の元へ。
この事故後の引っ越しからあたしの環境がぐるりと変わったことはお分かりでしょうけど........
あたしにはドキドキが増し、日々、キャパオーバー寸前になろうとは思いもしませんでした。