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傍にいてもいいの?
第5章 惹かれていく心........
部長の部屋に戻ったのは日も暮れた頃。
その日はシーツを変えたばかりの部長の寝室で寝かせてもらって、部長は書斎で。
日曜日は午前中からあたしのベッドや服とか生活用品を購入するため、部長の車で規模の大きいショッピングモールへ出掛けた。
部長の部屋には男のひとり暮らしのせいかキッチン周りの道具が乏しい。
ほとんど自宅で食事をしないと言うから住まわせてもらう代わりにあたしが食事当番を買って出た。
「とりあえず、もうすぐ昼時だから先に昼食をとって残りは午後からにするか?」
たくさんの買い物袋をカートにのせて、部長が休憩を促す。実は、ここにある殆どのものは部長のカードで購入....。
あたしが払うって言っても、却下された。
「そうですね....早めに食べた方がそんなに混まないかもしれませんね........」
あたしもスマホで時間を確認して部長の言葉に賛成する。
「よし、俺は一度車にこの荷物を置いてくる。笹倉はここで待っていなさい。俺が戻ってからこれで4階へ向かおう」
部長が指を指したのはあたしの後ろにあるエスカレーター。
ここにはひと休みできるベンチが設置されていた。
「いえ、殆どあたしの荷物ですし一緒に行きます」
「気にしなくていい。これは俺のために料理をしてくれる道具だってあるのだから俺の荷物でもある。気にするな」
「でもっ........」
それでも引かないあたしに、部長は微笑んで
「そんなに俺と離れたくないのか?....なら、一緒に行くか?」
そう言ってあたしの手をカートの取っ手に置いて部長は自分の手を上から重ねてきた。